
(2)有価証券報告書から分かること
(2)有価証券報告書から分かること
Ⅳ 有価証券報告書記載事項から分かること
有価証券報告書の「第1企業の概況」、「第2事業の状況」、「第3設備の状況」では、連結グループに関する情報が開示されています。また、「第4提出会社の状況」では、個別会社に関する情報が開示されています。では、具体的に内容をみていきましょう。
1.企業情報
<第1企業の概況>
主要な経営指標の推移から、成長性、収益性、安全性、キャッシュ・フローの状況、従業員数などの最近の傾向が把握できます。その傾向をみることで、事業が拡大しているのか停滞しているのか、経営状況はどうなのか概略や事業ステージを大枠で把握することができます。記載されている沿革を経営指標と合わせることで、経営指標に表れた数値の歴史的背景を理解することができます。
また、連結グループについて、どのような事業を展開しているのか、どのようなグループを形成しているのか、どのような子会社や関連会社があって、各関係会社とどのような取引をしているのか把握することができます。議決権の所有割合からは、各関係会社との関係の強弱が分かります。
従業員の状況からは、各事業のセグメント別従業員数、平均勤続年数、平均年間給与などが記載されているので、企業規模だけでなく従業員の待遇、企業文化などを類推することができます。
<第2事業の状況>
業績などの概要から、会社を取り巻く外部環境や事業の種類別セグメント別の業績、所在地別セグメント別の業績の状況、キャッシュ・フローの概略などが把握できます。最近の環境変化が業績にどのように影響したのかを理解することができます。また、事業の種類別セグメントごとに生産、受注の状況が記載されていますので、受注生産型企業の受注状況は、次年度(今年度)の売上予測の参考となります。
対処すべき課題や事業リスクも開示されていますので、それらの会社に対する影響や対処方針、取組みなどを把握することができます。更に、研究開発活動からは、どのような研究開発活動をしているのか、どのくらい研究開発に力を入れているのかなど事業セグメント別の研究開発戦略が把握できます。研究開発の成果は、将来の収益に大きく貢献する可能性があるので要チェックです。
<第3 設備の状況>
設備投資などの概要からその事業年度の設備投資に関して事業の種類別セグメント別に内訳を把握することができます。主要な設備の状況や設備の新設、除却などの計画からは、既存設備を有する業所別の所在地、設備の内容、帳簿価額、従業員数だけでなく、設備の新設、拡充、除却などの計画(事業所名、所在地、設備の内容、投資予定金額、資金調達方法、着手及び完成予定年月、完成後における増加能力など)が開示されています。
<第4 提出会社の状況>
株式などの状況には、発行済株式数などは企業価値算定に欠かせない基本情報が記載されています。大株主や議決権割合に関する情報は、企業買収の成否を左右する重要な情報となります。
また、会社の自己株式の取得や処分はROEやEPSへ影響をあたえるだけでなく、株式の需給にも影響を与える情報となります。
配当政策からは、会社の株主に対する姿勢をみることができます。配当をしている場合でも、資本剰余金の取り崩しではなく、獲得した利益から配当しているかなどのチェックが必要です。配当している会社が全て利益を上げている会社とは限りません。また、配当せずに利益を内部留保している場合、会社の成長、企業価値向上につながっていることが必須となります。そうでない場合、企業買収のターゲットにされる可能性があります。
株価の推移からは、市場での評価が分かります。市場での評価は、その時々の投資環境や投資者のマインドにも左右されるため、必ずしも正しい企業価値を表しているとはいえませんが、上場会社の経営者には企業価値向上を常に目指すことが求められています。
コーポレートガバナンスの状況では、会社の企業統治体制について記載され、当該報告事項・開示事項の信頼性、透明性確保をどのように図っているのかを把握することができます。
以上、盛りだくさんですが、このパートを読むことで会社の概観を掴むことができたのではないでしょうか。
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