日本の金融緩和政策について考える
日本の金融緩和政策について考える
昨日、日米欧の先進7カ国(G7)は、新型コロナウイルス拡大による景気減速・経済活動停滞の対応策として金融緩和や財政出動を含めた景気刺激策で協調姿勢を打ち出しました。
2019年4月、日銀は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、「政策金利については、海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも2020 年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」点を表明しました。
また、「先行きのわが国経済は、当面、海外経済の減速の影響を受けるものの、2021年度までの見通し期間を通じて、拡大基調が続くとみられる。」と明言しています。
一方、経済の見通しに対する上振れないし下振れの可能性(リスク要因)として、①海外経済の動向、②2019 年10 月に予定される消費税率引き上げの影響、③企業や家計の中長期的な成長期待の変化、④財政の中長期的な持続可能性に対する信認の低下、をあげています。
ここ数年を振り返ると、米トランプ政権の保護主義の推進(特に日中貿易戦争?)、消費税10%への引上げ、昨年末からの新型コロナウイルスの世界拡大による経済停滞などビジネスをしている身としては良い話があまりありません。
近年の日銀の金融政策を時系列に整理してみます。
・2013年4月:日銀は2%の物価安定を目標に、「量的・質的金融緩和」(異次元緩和)の導入を決定し、マネタリーベースを年間で約60兆円増加する量的緩和を決定
・2014年10月:マネタリーベースを年間で約80兆円増加する追加緩和を決定
・2016年2月:金融機関が預ける日銀当座預金の一部に「マイナス金利」を導入
・2016年7月:株価指数連動型の上場投資信託(ETF)の買い入れを現在の年3兆円から6兆円に増額する追加金融緩和を賛成多数で決定
上記のように、日銀は物価2%の目標を達成するために金融緩和策を繰り返してきましたが、2014年4月に消費税を8%に引き上げた時に消費が冷え込みました。
2019年10月に消費税が10%へ引上げられ、オリンピックを控えて新型コロナウィルスが拡大していますが、過年度に日銀が示した見通しの通り景気が2021年まで拡大することを願うばかりです。
最近は、業種・業界全体の景気の良し悪しではなく、同じ業種・業界にあっても個別企業により業績の良し悪しの差が顕著になっていると感じます。
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